ようこそ日本義務教育学会へ

 日本義務教育学会は、2016年12月に設立されました。本学会は、小中一貫教育、義務教育学校、および義務教育をめぐる諸課題について研究を深め、日本の教育の質を高めることを目指して発足した学会です。学会の設立趣意書には、義務教育の学びや教育行政の支援について、未来志向型の研究を専門的・具体的に進め、我が国の教育の質を高めていくことに貢献すると書かれています。

 本学会の設立にあたっては、小中一貫教育への学校や自治体の取組、義務教育学校の法制化が大きな契機となっています。小中一貫教育をめぐる課題の解決を目指し、学校現場や大学、研究機関、行政の関係者が一体となって取り組み、小中一貫教育を推進する自治体や学校を支え、その広がりを確かなものにしていくところに本学会の目指す姿があります。特に今日においては、少子化に伴う学校統廃合が課題となっており、その解決手段として小規模校での小中一貫教育のあり方について、新たに検討する必要が生じています。それとは逆に、都市部の人口増に伴い、学校用地確保という観点から小中学校を包摂した義務教育学校を設置する場合もあり、状況は多様化しています。

 それとともに、小中一貫教育にとどまることなく、広く義務教育に関する理論や実践について研究することも、本学会では目指しています。学校教育の基礎理論、授業研究や教科教育、特別活動や生徒指導、自治体や学校の特色ある実践等、多様な領域で研究を展開しながら、研究者と実践者が相互に交流できる場となることを期待しています。具体的には、年に1度の研究大会のほか、地区大会や研究集会での実践報告、さらには紀要の投稿と査読による優れた研究の発信等を行っています。

 本学会は、大学や研究機関などに勤務し研究と教育に携わる会員、小学校や中学校など教育現場において教育実践に携わる会員、そして、教育行政に携わる会員などによって成り立っています。今日では教職大学院のように、ストレートマスターの大学院生と教員の身分を有したまま教育委員会の派遣や休業制度を用いて大学院で学ぶ大学院生、さらにはそれを教える研究者教員と実務家教員といった立場や専門を超えた形態で、ともに学び合う機会も増加しています。また、連合大学院のように教員養成系の大学から博士号取得の道も開かれてきました。そのような会員に対する研究発表や論文作成の一助となるべく、研究大会や紀要を活用していただければと考えています。

 これまで、亀井浩明先生、小松郁夫先生、天笠茂先生という、義務教育および小中一貫教育の権威が歴代会長を務められ、学会活動を牽引してこられました。天笠前会長におかれては、全国を6つの地域ブロックによって組織し、拠点づくりをはかり、会員相互のつながり生み出すことに取り組んで下さるとともに、地域に応じて若手研究者を積極的に理事として推薦することで、学会の活性化を果たしてこられました。今後は、小中一貫教育を推進する自治体との連携を図りながら、各地域での活動を盛んにするとともに、中堅・若手による実践の報告や共同研究が発展することを願っています。会員の皆様におかれましては、学会活動ならびに日本の義務教育の充実のためにお力添え下さるよう、よろしくお願い申し上げます。

日本義務教育学会
会長 樋口直宏